昨日7月10日は『納豆の日』でしたね。
納豆は体にいいと、毎日食べる方もいるでしょう。
納豆にはいくつか種類があり、栄養価が異なります。
スーパーなどでよく見かける「粒納豆」と「ひきわり納豆」も栄養価が異なるので、補いたい栄養素や積極的に摂りたい栄養素を効率的に摂取できます。
「納豆を食べるタイミングはいつがいい?」
「朝・昼・夕それぞれに食べるメリットはある?」と疑問に感じる方もいるでしょう。
今回は、納豆の違いや納豆を食べるベストタイミングについて紹介します!
「粒納豆」と「ひきわり納豆」の違いとは?
納豆に使われている大豆は、その栄養価の高さから「畑の肉」と称されることがあります。
納豆は、以下のような特徴を持っています。
- 栄養価の高さ: 大豆自体がタンパク質、ビタミン、ミネラルが豊富であり、さらに納豆の発酵によってビタミンK2やナットウキナーゼなどの栄養成分が増加します。
- 製造方法: 納豆は蒸した大豆に納豆菌を加えて発酵させた食品です。この発酵により、特有の風味と栄養が生まれます。
納豆は日本の伝統的な発酵食品であり、その栄養価と健康効果から広く愛されていますよね。
ここでは、「粒納豆」と「ひきわり納豆」の違いについて紹介します。
「粒納豆」と「ひきわり納豆」の違いは、大豆の処理!
スーパーなど店頭でよく見かけるのは、糸引き納豆と呼ばれ、蒸した大豆に納豆菌を加えて発酵させた一般的な納豆のことであり、「粒納豆」のことです。
その中には大粒や小粒、黒豆など、大豆の品種や粒の大きさによるバリエーションがあります。
「ひきわり納豆」も糸引き納豆の1種になります。
「ひきわり納豆は糸引き納豆だから粒納豆を細かく刻んで作ったもの」と思いがちですが、実は違うんですね。
ひきわり納豆と粒納豆(糸引き納豆)の違いについて、詳しく見ていきましょう。
粒納豆(糸引き納豆)の特徴
- 大豆の処理: 大豆はそのままの状態で使用される。
- 納豆菌の添加: 大豆に納豆菌を加えて発酵させる。
- 発酵: 納豆菌が付着した大豆全体が発酵し、表面積は比較的少ない状態で発酵が進む。
ひきわり納豆の特徴:
- 大豆の処理: 大豆は蒸した後に砕き、皮を除いてから使用される。
- 納豆菌の添加: 砕いた大豆に納豆菌を加えて発酵させる。
- 発酵: 大豆が細かく砕かれているため、納豆菌が付着する表面積が増える。これにより、通常の粒納豆とは異なる風味や食感が生まれ、栄養価も一部異なる。
※これは一般的な納豆の製造方法であり、異なる場合もあります。
つまり、「粒納豆」と「ひきわり納豆」の違いは製造工程の「大豆の処理」にあります。
「粒納豆」はそのままの大豆を使用し、「ひきわり納豆」は大豆を砕き、皮を取って使用するんですね。
これらの違いから、ひきわり納豆と粒納豆は食感や風味において異なる特性を持ち、それにより好みや用途に合わせて選べます。
「粒納豆」と「ひきわり納豆」の栄養価比較
「粒納豆」(一般的な納豆)と「ひきわり納豆」の100gあたりの栄養成分を以下の表にまとめました。【日本食品標準成分表(八訂)増補2023】
食品成分 | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維総量 | カリウム | カルシウム | マグネシウム | 鉄 | 亜鉛 |
kcal | g | g | g | g | mg | mg | mg | mg | mg | |
糸引き納豆 | 184 | 16.5 | 10 | 12.1 | 6.7 | 690 | 91 | 100 | 3.3 | 1.9 |
ひきわり納豆 | 185 | 16.6 | 10 | 10.5 | 5.9 | 700 | 59 | 88 | 2.6 | 1.3 |
食品成分 | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | トリプトファン |
μg | mg | mg | mg | μg | μg | mg | |
糸引き納豆 | 870 | 0.13 | 0.3 | 0.24 | Tr | 130 | 250 |
ひきわり納豆 | 930 | 0.14 | 0.36 | 0.29 | 0 | 110 | 250 |
この表からわかるように、粒納豆とひきわり納豆は似たような栄養価を持っています。
ひきわり納豆のほうがいくつかの栄養素においてやや優れていますが、どちらも高栄養価な食品であり、健康に良い影響をもたらすことは間違いありません。
納豆の健康効果は?納豆を食べるベストタイミングはいつ?
納豆は体に良いと言われますが、納豆の健康効果には一体なんなのか、
また、納豆は栄養価が高く、どの時間帯に食べても健康に良い影響を与えますが、それぞれのタイミングで異なるメリットがあります。
朝・昼・夕のそれぞれのタイミングで納豆を食べるといいメリットを紹介します!
納豆の健康効果、体に良いと言われる理由は?
納豆の健康効果は、多岐にわたります。
以下にその主要な効果をまとめました。
骨の健康
納豆に含まれるビタミンK2は、骨の健康に重要な役割を果たし、骨密度を高め、骨折リスクを減少させます。
カルシウムの骨への沈着を助けるため、骨の強化に役立ちます。
心血管の健康
納豆に含まれるナットウキナーゼは、納豆独自の酵素で、 血栓を溶解する効果があり、血液の流れを改善し、動脈硬化や心筋梗塞のリスクを低減します。
ナットウキナーゼは、血液をサラサラにしてくれるんですね。
消化の改善
納豆には大豆由来の食物繊維が含まれており、腸内の善玉菌の餌となり、腸内フローラ(腸内細菌叢)を健全に保つのに役立ちます。
また、食物繊維が腸の動きを活発にし、便秘の予防や改善に効果的です。
加えて、納豆は発酵食品のため、発酵によって消化吸収が良くなり、胃腸に優しい食品です。
免疫力の向上
納豆にはプロバイオティクス効果があり、納豆菌が腸内の善玉菌を増やし、免疫力を高め、感染症や病気の予防に役立ちます。
納豆菌は強力で、胃酸にも強く腸まで届きやすいのが特徴で、納豆菌が腸内に入ることで、他の善玉菌の増殖も促進され、腸内環境が整います。
そして免疫細胞の約70%が腸に存在するといわれており、腸内環境の改善は免疫力の向上に非常に重要です。
納豆を食べることは腸活(腸内環境を整えること)に有効な手段の1つですね。
つまり、定期的に納豆を摂取することは、免疫力の維持・向上のために非常に有効です。
抗酸化作用
納豆に含まれるイソフラボンには、強力な抗酸化作用があり、体内の活性酸素を除去し、老化や病気の予防に役立ちます。
ホルモンバランスの調整
大豆イソフラボンが女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをします。
更年期障害の症状緩和、骨粗しょう症の予防、男性の前立腺がん予防などに効果が期待されます。
血糖値のコントロール
納豆は低GI(グリセミック・インデックス)食品で、血糖値の上昇が緩やかな食品です。
納豆は血糖値の急激な上昇を防ぎ、糖尿病の予防や管理に役立ちます。
心の健康
納豆はビタミンB群を豊富に含んでいて、ビタミンB群はエネルギー代謝を助け、神経系の健康をサポートします。
そのため、ストレス軽減や精神的な健康維持に役立ちます。
納豆を定期的に摂取することで、ビタミンB群の供給が確保され、エネルギー代謝が促進し、神経系の健康が維持されるため、ストレスに対する抵抗力が高まります。
体重管理
納豆は高栄養で低カロリーです。
栄養価が高く、カロリーが低いため、ダイエットや体重管理に適した食品です。
これらの健康効果から、納豆はバランスの取れた栄養補給ができる優れた食品であり、日常的に取り入れることでさまざまな健康効果を得られます。
そしてこれらの健康効果をふまえ、納豆がヘルシーで体に良いといわれる理由について、以下にまとめました。
栄養価の高さ
納豆は「畑の肉」と呼ばれる大豆を原料としているため、5大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)が豊富に含まれています。
また、アミノ酸価100の良質なたんぱく質を含んでいて、筋肉や内臓など体の組織を作る成分として欠かせません。
病気の予防
納豆には大豆イソフラボンが含まれています。
大豆イソフラボンは、 女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをし、更年期障害や骨粗しょう症、男性の前立腺がんなどの予防が期待されます。
また、レシチンを含んでいて、レシチンは血管を正常に保ち、動脈硬化などの生活習慣病予防や脳の活性化が期待できます。
発酵による効果
納豆にはナットウキナーゼという納豆特有の発酵によって生成される酵素があります。
血栓予防効果があり、血流をサラサラにします。
また、 発酵によって消化吸収が良くなり、胃腸に優しい食品となります。
納豆は、栄養価が高いにもかかわらず、エネルギーは低い傾向にあるため、ヘルシーで栄養豊富な食品とされています。
そのため、体に良いと言われるのでしょう。
納豆は健康効果が多く、体にいいと言われる理由が分かりますよね。
毎日の食事に取り入れることで、さまざまな健康効果を享受できる食品です。
納豆を食べるタイミングは朝or昼or夕?それぞれのメリットとは?
納豆を朝食、昼食、夕食に食べることのメリットについて、それぞれの効果を詳しく説明します。
朝食で納豆を食べるメリット
1.バランスの良いエネルギー補給
納豆には良質なたんぱく質が豊富に含まれており、炭水化物を主成分とするご飯などの穀類と組み合わせることで、バランスの良いエネルギー補給が可能です。
これにより、朝のエネルギー供給がスムーズになり、1日を元気にスタートできます。
2.脳の働きのサポート
発酵食品である納豆は消化吸収が良く、レシチンが起き抜けの脳の働きをサポートします。
これにより、仕事や勉強の集中力が高まります。
3.精神の安定と質の良い睡眠:
納豆に含まれるトリプトファンは、セロトニン(幸せホルモン)の原料であり、セロトニンは夜になるとメラトニンに変わります。
朝に納豆を食べると、その日の夜に質の良い睡眠の助けになるでしょう。
昼食で納豆を食べるメリット
1.脳の活性化
納豆のレシチンが疲れ始めた脳の働きを活性化し、午後からの仕事や勉強の集中力を高めてくれます。
2.満腹感と間食防止
納豆は食物繊維が豊富なので満腹感が得られ、間食を防ぐ助けになります。
夕方になると空腹で甘い物に手が伸びてしまう人や、ダイエットが気になる人には、昼食に納豆を取り入れるのが良い選択肢です。
夕食で納豆を食べるメリット
1.血液循環の改善
ナットウキナーゼは血液をサラサラにすることで注目されています。
一般的に血栓は夜中にできやすいといわれているため、夜に納豆を食べることで血液循環を良好に保ちます。
2.骨の健康
納豆に含まれるビタミンKはカルシウムの吸収を助け、骨を強くする成分です。
とくに夕食で摂取することで、夜間の骨代謝を促進します。
3.腸内環境の改善と快便効果
納豆菌が腸内環境を整え、翌朝の快便が期待できます。
納豆を食事に取り入れるタイミングに応じて、それぞれ異なる健康効果が期待できます。
朝食にはエネルギー補給と脳の働きをサポートし、昼食には集中力の向上と満腹感、間食防止に役立ちます。
夕食には血液循環の改善と骨の健康、腸内環境の整備が期待できます。
納豆を1日の様々な食事に取り入れることで、総合的な健康効果を享受できるでしょう。
種類やタイミングを選んで効率的に納豆を食べよう!
納豆を効率的に食べるためには、「粒納豆」と「ひきわり納豆」に含まれる栄養素を比較し、不足している栄養素を補うことです。
また朝・昼・夕で、食べるタイミングを工夫することが大切です。
朝食、昼食、夕食それぞれのタイミングで異なる健康効果を享受し、栄養バランスを向上させます。
納豆を飽きずに美味しく食べ続けるために、さまざまなレシピやアレンジ方法を活用するといいでしょう!